プロダクトデザイナーの皆さんはこの本を読まれたでしょうか?↓
「物欲なき世界」というプロダクトデザイン・キラーな表題で、ぼく的には通り過ぎる事ができない一冊でした^^;
読んでみると、中身も「なるほどなー」と納得でき、日ごろ感じている肌感覚とも一致していました。勿論知らない知識も沢山詰っていたのでデザイナーさんは必読な本でしょう。先進国において、今後の商品開発をする上でのひとつの道しるべになると思います。
そして近頃、こんな言葉も良く耳にしますよね?↓
みんなの物欲が無くなった。
ビックトレンド無き時代。
プロダクトデザインのサービス化。
今はプラットフォーム争奪戦がメイン戦場。
究極の普通が良い(ノームコア)。
Iot革命。
モノよりコト。
日本は「物造り」は良いけど「物語り」が無い。
2010年代はプロダクトデザイナーにとって試練の時代なのかもしれません。
デザインをする時に世界のトレンドを調べて「カタチ」を決めたりするのですが、近頃本当にデザインのトレンドが見えなくなっていると感じます。
正直ぼく自身も「最近デザインが分からなくなってきた・・・何が正解なんだ・・・」と迷走中^^;
年々ハードルが上がっている感じがします。辛い。。。けど楽しい。
そして確実にプロダクトデザインの価値観の転換期が来ていると感じるのは僕だけではないはずです。
「ブランド構築の為にデザイン(カタチ)を他社と差別化しよう!」と、つい7~8年ほど前に叫ばれていた時代が懐かしい。。。
「差別化のデザイン」とかもう死語になってる気がしますね^^;
ほんと時代の流れが速いな~と感じます。
プチトレンドは沢山ある?
「ビックトレンドが見えない」というのは、特にグローバルに展開する商品では顕著な問題だと思います。
でも一方で「プチトレンド」は多発しているんですよね。
ネットやSNSの普及で「価値観が合う人達のコミュニティー」が各所で形成されています。プロダクトデザイン業界でいえば「クラウドファンディング」で成功し始めたスタートアップ企業も多いです。
ニッチな市場には本当にチャンスがいっぱいあるのでしょう。
今まで利益率を考えると大企業が参入できなかった分野へ、3Dツールや3Dプリンターなどプロダクトを効率よく開発できるようになったおかげで、個人や小さく企業した会社でも製品化できるようになりました。
「個人の時代」が来た。
というのは、こういうトレンドから来る言葉なんだと思っています。
デザイナーの働き方も今後より多様化するかもしれませんね。
プロダクトデザイン(カタチ)唯一のトレンド
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そんな中で唯一トレンドのキーワードがあると思っています。
それは『軽さ』のデザイン。
「物欲なき世界」の価値観では「重さを感じない事」が求められているのでしょうか?『物=重さ』ですからね。
最近、売れ行きが良い商品は少なからず『軽さ』を演出するテクニックが使われている様に見えます。
カタチ・色・マテリアルで実際よりも『軽く』見せるデザインテクニック。
あえてここでは紹介しませんが、『軽さ』という視点でヒット商品を観察すると面白いですよ^^多々発見があるし、勉強になるので是非試してみて下さい。
まとめ
『物欲無き世界でのプロダクトデザインのトレンド』について、最近僕が感じている事を簡単に書いてみました。
「大きなトレンドがない」事が「トレンド」であり、物質的デザイン(スタイリング)においては「如何に重さを消すか?」がキーワードになっている。というのが僕の結論です。これは2016年に限った話ではなく、今後しばらく続くor加速していくのではないでしょうか?
ぼくと同じように奮闘中のプロダクトデザイナーさんも多いと思いますが、お互い頑張りましょうね^^