20代入社直後。30歳前後。40歳前後。
デザイナーには何度か『疲れ』を感じるタイミングが必ずあります。
「あぁ、激務で疲れた・・・これから先が不安だ、辞めるべきか・・・」
異なる年齢で、同じような悩みを抱える事もあるでしょう。
実際、20代入社直後。30歳前後。40歳前後。
これらのタイミングで『働き方の転機』が訪れる人は少なくありません。転職する人、フリーになる人、体調を崩してしまう人、実家に帰る人。様々なケースを見てきました。
今日は、『疲れ』や『限界』を感じてしまったデザイナーの今後について、選択肢を7つご紹介します。
デザイン業界には『根性論』の文化が根付いて長時間労働をしなければいけない会社が多いですが、当然そうでない会社もあります。
『疲れ』は『転機のサイン』でもあるので、前向きに捉えて行動しましょう。
今後自分により合った働き方を見つける際の参考になれれば嬉しいです。
①インハウス(企業内デザイナー)への転職
特に30歳前後、制作会社やデザイン事務所でバリバリ働いて来たデザイナーさんが転職先として「インハウス」を考えるケースが多いですね。
労働組合がキッチリしているので、
◾︎残業時間がしっかり管理されている
◾︎サービス残業は無い
◾︎福利厚生が充実している
◾︎安定している
などのメリットはやはり魅力的です。
結婚や子育てを考える始める年齢になると殊更でしょう。
「デザイン経験者」を募集している企業も多いので、バリバリと忙しく働いてきたデザイナーさんは転職活動が上手くいきやすいはず。
「地味な仕事が多い」
「デザインの幅が少ない」
「デザイナーとして有名になれない」
などネガティブな意見もたまに聞かれますが、30歳前後の転職となれば話は別でしょう。プライベートと仕事のバランスを考え始めた時は、一度インハウスデザイナーとしてエントリーしてみることをお勧めします。
関連記事:
②デザイン関連の他業種(残業が少ないところ)へ転職
商品企画、ディレクター、営業、編集、オペレーター、商品品質管理などなど。
あなたがデザイナーをしながら働いていると関係する職業があると思います。
デザイナーはこれらクリエイティブ系の仕事の中でも、労働時間が長くなりがちなので「疲れた・・・」となってしまったら、残業が減らせそうな職業への転職も考えましょう。
今までの仕事と関連ある場所なら、スムーズに新しい環境で働けるなどメリットは大きいですね。また「デザイナー視点」はどの職種でも重宝されるので、30代、40代で新しい職種に変わる人も少なくありません。
③他業種のデザイン
ウェブ、パッケージ、広告、プロダクト、ファッション、アクセサリー、インテリア、UI、UX、装丁、などなど。一言「デザイナー」といっても様々な職業があります。
デザイナーとして、審美眼や思考プロセスなど基本的な能力は同じなので、興味が他の分野に向いた方は他業種のデザインにチャレンジしても良いでしょう。
ただ新しい分野にいくと勉強しなければいけない事も多いので、心身共に疲労している時は向かないかもしれません。
④デザインとは関係ない職種・業種に転職
『元から興味のある分野』
『すぐには無理だけど今後、デザイナーの経験が活かせそうな業種』
そんな業種にデザイナー以外の職種で転職するのも、キャリア設計として有望だと思います。
「自分の趣味と関係あるお仕事だけど、デザイナーとは関係ないよな・・・」と思っている分野こそ、今後デザイナーだった経験が活かせる可能性が高いのではないでしょうか?
農業、山岳ガイド、コスプレショップ、囲碁将棋、マイナースポーツなどなど。一般的には余り知られていない分野でも『デザイン』を必要としている場所は多いでしょう。仕事をしながら経験・人脈を作った後に「実は以前デザイナーをしていまして。。。」とカミングアウトする思わぬ展開に発展するかも!?
人生長いので、『デザイナーという肩書きに拘らない』ことで逆にチャンスが広がるケースは少なくありません。
関連記事:
⑤海外移住(留学、ワーキングホリデーなど利用)
筆者は現在フランスでデザイナーとして働いています。
海外に出て初めて気づいたのですが、「日本人のデザイナーは相当平均レベルが高い」んです。
日本はデザイン後進国とすら言われる事があるのに、ちょっと意外ですよね?
(過酷な労働環境で働いているので当然。フランスでは残業もないので同じ年齢であれば、経験値で勝るのでしょう)
『海外デザイナー』と聞くとなんか凄そうですが、平均的には日本人デザイナーのほうが実務レベルでみると明らかに優秀です。海外はトップダウンで効率的、日本はボトムアップで根性論。の文化なのかもしれませんね。。。
『実は日本人デザイナーのスキルは世界トップレベル』
この事実には、希望も絶望も両方感じずにはいられません。
特に20代の若い方であれば、留学やワーキングホリデーなどを利用するのも将来の可能性を広げる選択でしょう。一旦会社を辞めてリフレッシュしつつ、新しい知識やスキルを身に付ける事も長い人生をこれから歩んでいく為の糧となるでしょう。
関連記事:
⑥派遣デザイナー(残業なし&次の職場探し兼ねる)
デザイナーが疲れてしまう原因はやはり、度重なる『長時間労働、サービス残業』が一番の原因でしょう。
「正社員だけど、時給換算したらアルバイトよりも安いのではないか・・・」
そんな過酷な人も少なくないのが日本のデザイナーの現状。。。すべての会社がそうでは無いですが、もっと労働環境が良くなると嬉しいですよね。
デザイン業界でよく言われるのが、「正社員」と「フリーランス」の中間として「派遣」で働くのも有望な選択肢という事。
「疲れた・・・もう少しゆっくりデザインの仕事がしたい」という方が派遣デザイナーとして働く選択肢をするケースも多いです。
自分に合ったより良い環境を求めた転職活動を兼ねた『紹介予定派遣』など。デザイナー、小規模デザイン事務所、双方にとってメリットのある働き方もあります。
下記記事で詳しく説明してあるので、興味のある方は是非こちらも参考になるかもしれません↓
関連記事:
⑦一旦休養。その後フリーランスデザイナーとなる
自分で業務量を調整できるフリーランスになるのも一つの手です。
以前は
「フリーになっても取引してくれそうなクライアントさんが数社あると望ましい」
「軌道にのるまでを考え、無収入になっても半年生活できる程の貯金必要」
などと言われていましたが、現在では状況が変わってきています。
昨今の「働き方改革」が注目を浴びる中、【フリーランスと会社のマッチングサービス】が大きな発展を見せています。
代表的なのがクラウドテック さんですが、プロジェクト単位(1ヶ月〜半年くらい)でのフリーランス業務委託のマッチングをしてくれます。
以前よりもフリーランスとしての働き方は多様化し、働きやすくなっているのは間違いありません。
実は正社員よりも月収が良くなるかも?
そしてこの「業務委託」はデザイン単価が高いのも特徴の1つ。
「常に仕事があるかわからない」というデメリットがある代わりに、月収30万〜80万円という高級案件ばかりが揃っています。
フリーランスを経験している人なら知っていると思いますが、時給で考えるのならば【正社員の給与】<【派遣】<【業務委託】が一般的な常識です。
(福利厚生など正社員が優れている部分はありますが)
「定額働かせ放題」と揶揄されるような薄給のデザイン会社は残念ながら今でも存在しますが、そこで消耗するのなら一度真剣に別の働き方を考えたほうが良いでしょう。
興味がある方はクラウドテック さんの公式ページでチェックしてみてください。
在宅ワークを考える
「疲れた・・・」にも様々なレベルがあります。
末期の疲れだと、転職活動やフリーランス転向の疲れが最後の引き金となり体調不良を引き起こす可能性もあります。。。(僕の妻は元グラフィックデザイナーなのですが、現在過労から心身のバランスを崩し1年半程自宅休養中。。。)
「正直、限界が近い・・・」と感じるのであれば、問答無用で一旦休養する事をお勧めします。やはり健康が第一!
「ここで辞めると今後就職しずらいかもしれない。。。今辞めると周りに迷惑がかかる。。。」などと考え、限界以上に働いてしまうのは本当に危険ですよ。。。
現在ではクラウドソーシングなど、『在宅ワーク』でデザイナーとして働く事も可能です。
人それぞれスキルにもよりますが、会社で数年働いた経験があるなら週2日、1日8時間くらいの作業で月4〜5万円程にはなるでしょう。
転職活動やフリーランスとして独立するまでの繋ぎ期間として、一旦休養。元気な時は軽く『在宅ワーク』をする。疲労が溜まってしまった時は、この様な期間を設けるのも非常に大切だと感じています。
関連記事:
(注:限界を超えてしまい、心身のどちらかに異常が起こってしまった場合。医師の診断書があれば『傷病手当』を最長で1年半、最高で給与の60%のお金を受け取りながら休業する事ができます。体調を崩してしまった際は直ぐに会社を辞めるのではなく、まずは病院にいき診断して貰いましょう。)
最後に
以上。
「デザイナー疲れた・・・」
そんな時の7つの選択肢でした。
疲労していると、視野が狭くなってしまい色々ある可能性が見えなくなってしまいますが、実は選択肢が沢山あります。
デザイナーは色々な経験をしながら一生成長していける職業なので、他の職業よりも選択の自由度が高いのは事実。「転職回数は少ない方がいい」という常識もありません。寧ろ色々な職業や会社を経験した方がいいくらいです。
「休む時はしっかり休む」
「変な拘りは持たず、自分に合った環境にどんどん移動する」
「自分の働き方もきちんとデザインする」
これがデザイナー人生では大切なのではないでしょうか?
でわでわ、今日はこの辺で。
健康第一でほどほどに働きましょう^^!